雨は嫌いじゃない。雫が美しいと思ったあの日

タイに住んでから、雨も悪くないなと思えるようになった話


梅雨の季節がやってきた。

日本にいると誰もが憂鬱だな〜と思うのではないだろうか。

出かけられない、洗濯物が乾かない、体調が悪い、そんなネガティブ要素満載だ。

だから、梅雨が明けるとやっと夏だ!と嬉しくなる。でも、チェンマイに住んでから雨が嫌いじゃなくなった。

好きという表現をしないのは、好きとまではいかない。でも嫌いではない。だから嫌いじゃない。


タイの季節は雨季、乾季、暑季の3つ。

雨季はバケツをひっくり返したかのようなスコールが毎日のようにある。

チェンマイの郊外に住んでいたときは雨が強すぎて停電からの断水がよくあった。断水する前にペットボトルに水を溜めておいて、ペットボトルシャワーした日々が懐かしい。そういうの大丈夫なタイプだったりする笑

日本ではありえないけど、雨の威力がとにかくすごかった。

乾季は全く雨が振らない。空気もカラっとしていて、日中は暑いけど朝と夜は涼しい。この季節はハイシーズンで旅行客も多い。

暑季はその名の通りとにかく暑い!雨は振らないしPM2.5で空気は悪いし、気温は40度を軽く超える。ちなみに、チェンマイは世界一空気が汚い時期になる。恐ろしい…

一日でも早く雨が降ってほしいと願う季節だ。


タイに行ったことなくても、ここまで読むときっと乾季がよさそうだと思うだろう。もちろん、私も乾季は過ごしやすく好きだ。

でも、雨季も好き。雨が降るから植物が育つ。木は緑できれいだし、フルーツもおいしい。慣れてくると、雲の様子でもうすぐ雨が降るな〜ってわかる。

だから、スコールが来そうだったら変に移動しないで家にいたりカフェでまったりしたり。雨が理由で遅刻しても誰も怒らない。

スコールが終わると、雨が降ってたのが嘘のように晴れてきれいな青空になる。そんな雨上がりの空も好き。

停電も断水も何回もあったけど、永遠に続くわけでもないし、なるとかなるでしょうと思えてくるから慣れってすごい。(マイペンライ精神)


さて、なんで雨が嫌いじゃないかである。

暑季の終わりにはものすごい雨が降る。それが雨季のスタートの合図だ。その最初の雨が、本当に嬉しい。やったー!雨だ!!とみんなで喜ぶ。

生まれて初めて雨が嬉しいと思った、暑季を乗り越えたあの日。

日本にずっと住んでいたらきっと一生味わうことのない感情。

嬉しすぎた雨上がりの写真

この一滴の雫がどれだけ美しいと思えたか。

日本に帰国してからは、スコールとは無縁の生活になった。

それでも天気予報で雨だとわかると、明日は雨か〜と前日から思うわけだけど、タイに住むまでと比べると気持ちの持ちようが違う。

雨だと出かけるのが億劫になってしまうけどあえて出かけてみるのもいい。この前、雨の休日にカフェとヨガレッスンに行ったら、どちらも人が少なくてのびのびできた。雨でもいいことあるな、と思えた休日のお出かけ。

最近は雨上がりの、雨が降っていた余韵がいいなと思ったりする。道が濡れていて雨の匂いがする。雨上がりも悪くない。

こんな考えに変わったのは、チェンマイでの生活があったから。タイに住んでいるとタイのことは当たり前になってしまうけど、日本に帰国したからこそ、タイのことも日本の良さにも気づくことができた。


その一つに雨がある。

だから雨は嫌いじゃない。